新築で住宅を建設したりリフォームを実施したあたりから体調が気になっていてシックハウスが関係していないか悩まれていませんか?
体の症状や建物の検査方法などを紹介します。
・シックハウス症候群が原因なのか?
化学物質が原因で発症するには個人差があり、その人が元々持っている化学物質の許容量を超えたりストレスや体調不良などが絡み合って発症リスクを高めると言われています。
可能性が高いのは、マイホームを新築したり自宅の内装をリフォームして生活を始めたころから、体調に変化が現れたならその工事で使用された建材などに含まれている化学物質の発散量が影響している可能性が高いです。
ホルムアルデヒドの空気中濃度との関連で症状を例にとると、0.05ppmから敏感な方は目に刺激を感じてきて1~3ppmでは臭いや目、鼻などに普通の方でも刺激を受けます。
5ppm以上になると目や鼻に加えて喉にも刺激を覚え10ppm以上になると、咳が出て呼吸困難になると言われていて化学物質濃度が重要なことが分かります。
※環境や体質により症状や感じ方は異なりますので一例としてご覧ください。
・症状が現れたら病院で検査を受ける
住宅建築で一般的に使用されているフローリングや壁紙用の接着剤などに含まれているホルムアルデヒド(VVOC)は皮膚や目、鼻の粘膜、気管支炎などに影響を及ぼす恐れがあると言われています。
内装の塗料に使用されるエチルベンゼンなども、めまい、意識低下などの症状を誘発する言われていますが特定するのは難しいので暫くの期間は強制換気をして様子をみましょう。
それでも明らかに以前よりも体調に異変を及ぼしていると思われるのであれば、アレルギー科のある専門医療機関を受診しましょう。
近くに無い場合には、該当する症状に応じて皮膚科や耳鼻咽喉科、内科などの診てもらうことで症状を緩和することはできると思われます。
医療機関により検査方法異なりますが気道過敏性検査、化学物質負荷検査、呼吸機能検査、瞳孔反射検査などが行われます。
・室内空気環境測定をしてみる
自分や家族の体がシックハウス症候群の影響を受けている可能性があるのであれば、実際にマイホームの室内空気環境測定をすることで原因が特定できるかもしれません。
パッシブ拡散法
「日本住宅性能表示基準」で定めている方法となります。
最初に該当する部屋の窓とドアを解放して30分間換気して、屋外に面する全ての窓を閉めて5時間以上は放置します。
アルデヒド類のサンプラーのネジを空けて取り出し、三脚に紐で吊るし24時間採取を続けます。
採取したサンプラーを試験室へ提出して成分を分析します。
【メリット】
アクティブ法と比べるとコストが安い。
測定機器を設置する必要が無い。
【デメリット】
時間が掛かる。
平均濃度しか測定できない。
アクティブ法
厚生労働省が定めた「室内空気測定のガイドライン」の標準的な方法です。
最初に該当する部屋の窓とドアを解放して30分間換気して屋外に面する全ての窓を閉めて5時間以上は放置します。
三脚にVOCの捕集管を使用して専用機器を設置し約30分を2回採取します。
【メリット】
信頼性が高い。
パッシブ拡散法と比べると測定時間が短い。
【デメリット】
VOC測定士が測定するので費用が高くなる。
・室内濃度指針値
ppm(ppb)
ホルムアルデヒド 100μg/m3(0.08ppm)
トルエン 260μg/m3(0.07ppm)
キシレン 870μg/m3(0.20ppm)
ダイアジノン 0.29μg/m3(0.02ppb)
クロルピリホス 1μg/m3(0.07ppb)
クロルピリホス 0.1μg/m3(0.007ppb)
(小児の場合)
テトラデカン 330μg/m3(0.04ppm)
フェノブカルブ 33μg/m3(3.8ppb)
アセトアルデヒド 48μg/m3(0.03ppm)
ノナナール 41μg/m3(0.007ppm)
エチルベンゼン 3800μg/m3(0.88ppm)
スチレン 220μg/m3(0.05ppm)
パラジクロロベンゼン 240μg/m3(0.04ppm)
フタル酸ジ-n-ブチル 220μg/m3(0.02ppm)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 120μg/m3(7.6ppb)
・シックハウス症候群の検査まとめ
せっかくマイホームを全面リフォームしたのに家族の体調が悪くなったら最悪です。
原因がシックハウス症候群じゃないかと考えたくもなるでしょうが、個人差がありもともと持っている化学物質の許容量や免疫力の低下でも発症に影響を及ぼすでしょう。
まずは普段から掃除をしっかりして換気を十分にしていれば気になる臭気も薄れてきます。
改善の兆しが無ければ、ご家族の健康ためにも受診されて症状を改善することが第一で次にリフォームした部屋の空気環境測定を実施することも検討されるといいでしょう。